ADVENT CALENDAR 2019
にゃんにゃんを描こう!
By zamaka
Amusement Creators Advent Calendar 2019 三日目の記事です。
はじめに
アドベントカレンダーはプログラミングや技術系の記事が多いと思うので、それらに飽きてきたら息抜きに読んでください。
息抜きに読むには長い気もしますが…
本記事は絵はたまーに描くぐらいのレベルの読者を想定しています。
できる限り、感覚よりも、論理的・具体的な方法を紹介しているつもりです。
やる気と尺の都合で、下書き~線画のみです。色塗りはまた別の機会に。
また、筆者は自作ゲーム素材のために絵を描く程度の素人です。解説は鵜呑みにしないでください。
例として、今回は以下の「にゃんにゃん1」というキャラクターを描いてみます。
下書き
まずは下書きをしてバランスを取ります。
にゃんにゃんはデフォルメされた、所謂ちびキャラで、約2頭身です。
下書きするときは、まず、各パーツごとに分割して形や大きさをざっくりと捉えます。
まず、各パーツの大きさから考えてみましょう。
帽子、顔、胴体、足で分けると、帽子 : 顔 : 胴体 : 足= 1 : 2 : 2 : 1ぐらいです。
この通りにざっくり、各パーツの高さ(大きさ)で分割する線を描きます。
次に、各パーツを基本的な図形で描いてみます。
まず立体で捉えると、頭は球、ツインドリル4は円柱+円錐、胴体や手足は円柱といった具合で、
これを平面に落とし込むと、それぞれ円、四角形+三角形(+半円)、四角形(+半円)でしょうか。
これで下書きはひとまず終わりです。
初心者は下書きを軽視しがちなイメージ~~(偏見)~~がありますが、失敗せずに絵を描くには必要な行程です。
絵が上手い人が下書き無しですらすらきれいな絵を描くのは、慣れているからです。
めんどくさがらずに、補助線も一々引く方が、結局のところ時間対効果は良いと思います。
なので、次以降のステップも、適宜、補助線を引いたり、下書きを描いてから清書するのをおすすめします。
腕を描く
腕(袖)を描いていきましょう。
ポイントは、袖の先端の垂れる部分と、関節部のしわです。
にゃんにゃんの場合、腕の長さが足りずに袖が余っています。
断面から考えてみましょう。腕の断面は正円4と考えます。
後は腕に合わせて線を引くだけでも良いですが、関節部分ににしわも入れてみましょう。
肘の関節は分かりやすいです。
肘の内側は布が余るので、しわができます。単純に描く場合、輪郭線に山を一つ描きます。それだけです。
同様の原理で、脇にも斜め上方向へ線を引くようなしわを描くことは多いです。
絵柄や塗り、布の材質等を考慮して、山の数や、山から引く線の長さは調節しましょう。
例としては、柔らかく薄い布だとしわが増えます。
これで腕は完成です。
胴体を描く
胴体のポイントは文字と裾の描き方です。
胴体は楕円です。前後よりも左右の方が幅が広く、また、楕円よりも少し四角っぽいイメージをするとより良いです。
裾は円柱の断面と考えれば半円が基本になります。
しかし、実際には服は胴体よりも少し大きい(太い)ため、少し布が余ります。
余った布は全方向に等しく広がる(太さを維持する)わけではなく、重力にしたがって下に落ちようとするため、布が重なる部分が出てきます。
そして、前後方向に布が重なった部分が縦のしわになります。
が、線としてしわを描いてしまうと、はっきりしすぎて違和感があることも多いので、適宜省略して良いと思います。
裾の輪郭線を描くときに少し意識する程度でも良いでしょう。
また、ふわっとしたスカート等(今回は裾)を、それっぽく描きたい場合の小手先テクニックがあります。
方法は単純で、裾の輪郭線として∞を描くだけです。無限の左右どちらか一方が布の外側、もう一方が布の内側になります。
これを使うと、ただ半円で裾を描くよりも立体感や柔らかさが強調されてそれっぽくなるのでおすすめです。
後は文字を描きます。文字に限らず服に模様を描くときは、しわや側面のよる立体感を意識するとリアルになります。
単純には左右の縁に近づくほど細くなるイメージです。飲み物の缶に描かれた文字等を参考にすると良いと思います。
要するに、半角 全角 半角みたいな。
足を描く
テキトーに四角を丸めた形を描いて、靴下の線を描いて終わりです。 つま先が少しとび出ています。
帽子を描く
フリルの描き方を紹介します。
帽子の構造は、シルクハットをふにゃふにゃさせたようなイメージをですね。
また、帽子の大きさには注意しましょう~~(実は一度失敗した)~~。
小さければ上に乗っかるだけ、大きすぎたらぶかぶかで顔が埋まります。
にゃんにゃんの帽子は少しぶかぶか気味ですが、髪の毛で引っかかるようなイメージです。
上部は∞のようなシルエットで、中央が少しへこみ、脇に押し出されている形状です。布がやわらかいため、重力で潰れ、少し歪んでいるわけです。 白いラインは、(俯瞰やあおり5でなければ)ほぼ真横一直線で大丈夫です。
そしておそらく一番難しいであろうフリル6の描き方です。
- 矩形波のようなカクカクとしたジグザグをイメージします。
- 縦線を斜めにし、台形っぽくします。
- 角を丸めます。これでフリル状の布の断面は完成です。
- 布の生え際から、断面の縁の部分へ線をつなぎます。
- 完成です。
実際に描く場合は、規則的になりすぎないように、縦線を傾ける角度や、矩形波の幅・高さをランダムに増減する必要はあります。 帽子やスカート等、立体的に円に沿わせる場合は、円の側面に近づくほど幅を狭めれば立体的になります。フリルを横から見た部分は角を丸めたテキトーな三角形を描くだけでもそれっぽくなります。 上記はとりあえず描く方法です。 応用するには、どうしてそういう線になっているか、布の立体構造を理解する必要はあります。 よくわからなくなったら、実際にハンカチやタオル等をその形にし、確かめながら描くと良いです。 また、このフリルの描き方を理解・応用できれば、風になびくカーテンやスカート等もイメージできるようになります。
ツインドリルを描く
ツインドリルも、フリルと同じように形を覚えて、テンプレ化するのが基本です。
0.1秒で書いたSみたいな線を縦に並べます。補完するように足りない線を補います。完成です。説明が雑になってきた。
ドリル全体の形は、真ん中が少し膨らんでいる、細長い葉っぱのようなシルエットをイメージすると良いかもしれません。
房の段数・それぞれの大きさ等をしっかり写すと似ます。テキトーに書くとなんか違う感じになります。
この手の複雑な形状は、3Dモデル等を用意してトレースできると非常に楽です。
リアル寄りの情報量が多いキャラデザの場合、S字部分にひだをつけるようにし、髪の流れを描きます。
髪を描く
後ろ髪は虚無なので、前髪だけ描きます。
左右対称です。中央の生え際の高さは、頭の上から1/4ぐらいが目安です。
端に行くほど生え際も下に移動し、両端では上から1/3ぐらいです。
房の長さは頭の1/8ぐらいを目安に、端に行くほど長くします。
房の数は8~16ぐらいで適当に埋めれば良いです。
髪は直線ではなく曲線にしましょう。
キャラクターによって外はね、内はね等の髪の癖を意識して曲げる方向を決めます。
にゃんにゃんの前髪は内はねです。
癖の少ない自然な前髪を描きたい場合は、内外や左右ではねを統一せずに、ランダムにします。
基本的には頭の形状に沿うので、内はね気味が無難だと思います。
顔を描く
書き忘れていたあごの輪郭や、襟を描いてから、
最後に顔を描きます。
顔の半分の高さがおよそ目の上端です。
眉毛はそれよりすこし上(上から3/8ぐらい)に描きましょう。
目の上下幅は顔の1/4程度、左右幅も1/4程度です。
目同士・眉毛同士の間隔も同じく1/4程度です。
鼻はありません。
口は目の下端とあごの丁度中間ぐらいです。
頬は気分で染めましょう。
顔を描く際の注意点としては、目の左右の大きさが挙げられます。
正面ならば左右対称で良いですが、問題は斜めを向いている場合です。
奥の目が遠近感および顔面の角度の問題ですこし小さくなりますが、
この時、横方向を潰したようにするのが重要です。縦方向まで小さくしてしまうと、違和感が出ます7。
顔はほんの僅かなバランスの違いで、印象が大きく変わるので、各パーツを選択して、拡大縮小や移動、回転等で微調節します8。
完成!
似てなくても、多少下手でも、自分が満足したら完成です。 色や背景をつけてみると、多少満足度が上がります。 線画が重なっている部分や、バランスが悪い部分があれば、余力で修正しましょう9。
以上、にゃんにゃんの描き方でした。
絵描き歌ほどお手軽ではありませんが、その分、実力はつく…かもしれません。
さて、冬コミ締め切り1か月切ったなぁ…
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zamakaの自作ゲーム「対戦パズル~しき~」に登場するかもしれないキャラ。悪乗りの行く末。原案:nyannyan キャラデザ:zamaka ↩︎
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アナログの場合、紙を光に透かして裏から見るという方法があります。 ↩︎
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キャラクター:にゃんにゃんの著作権については、“常識の範囲内で"どうぞ。 ↩︎
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主に縦ロール状のツインテールのこと。キャラによって結構違う。 腕の長さは胴体と同じぐらい(肘はほぼ半分)、ツインドリルは足元まで届く程度が目安です。 先ほどの大きさの目安線に合わせて図形をあてはめていくと以下のようになります。
ポーズは難しくない範囲でそれっぽくつけてみましょう。 ひじやひざ等の関節は球を意識しておくと、ひしゃげたりせずに、ポーズが描きやすいと思います。 ↩︎ -
それぞれ、見下ろす、見上げる構図のこと。 視点との位置関係に応じて、上下のどちらかに半円を描くようにすると立体感が出ます。
猫は適当に描いてください。猫だと分かれば十分だと思います。 ↩︎ -
ドレスとかメイド服だと必須。なお、3Dだとポリゴンを食いがち。 フリルは一見難しいですが、描き方のテンプレがあります。 慣れれば意外と楽にそれっぽく描け、見栄えも良いので、かわいいキャラを描きたい人は是非習得しましょう。 帽子のような、円に沿う立体的なフリルは少し難易度が上がるので、まずは平面に沿ったフリルを練習してみましょう。 ↩︎
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わずかになら縦方向も小さくしてよいですが、無意識だとやりすぎることが多いです。
初代ポ〇モンのプク〇ンのドット絵↩︎
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